派遣寮の引っ越し手続きと、持っていける荷物とは

派遣会社で工場の仕事が決まったら、遠くの街で働くという話は本当に珍しくありません。地元ではなかなか高収入の仕事が見つからないのに、地方の工場なら時給1,500円以上というのも一般的です。

お金をしっかり稼ぐために、長期契約ではなく1年、2年程度の短期でその土地に住みながら働く人が多いです。

こうした派遣の形態は、特に20代から30代の若手が選ぶ選択肢として人気を集めています。工場勤務は体力勝負ですが、残業代や夜勤手当がついて月収30万円を超えるケースも少なくありません。

実際に、私の周りでも「地元じゃ月20万円が限界だったのに、派遣で40万円稼げた」という声がよく聞かれます。

当然、今住んでいるアパートや実家から引っ越ししなければなりません。

荷物の整理、住所変更、役所の手続き…考えるだけで面倒です。しかも、急な引っ越しだとスケジュールがタイトになりがちです。

でも、派遣のいいところは、会社がいろいろサポートしてくれることです。

引っ越し費用から住居の手配まで、プロの派遣会社ならではのバックアップが充実しています。

今日は、そんな派遣の寮に引っ越しするための手続きについて、詳しく説明します。初心者でもわかりやすいように、ステップバイステップで進めていきましょう。加えて、実際の体験談や注意点を交えながら、失敗しないためのポイントも押さえていきます。

引っ越し先の寮を決める

まず、派遣会社に仕事が決まったら、すぐに担当者から「寮を用意します」と連絡が来ます。

自分で住む場所を探す必要がないのが、最大の利点です。ネットでアパートを探したり、不動産屋を回ったりする手間がゼロになります。しかも、派遣会社の寮は工場の近くに位置していることが多く、通勤時間が短いのも魅力です。

例えば、愛知県の自動車工場の場合、寮から徒歩10分以内の物件がほとんどです。これで朝のラッシュを避け、睡眠時間を確保できます。

もちろん、まれに「自分で好きなアパートを借りて引っ越したい」という人もいます。でも、正直おすすめしません。

理由はシンプルです。自分で賃貸契約を結ぶと、敷金・礼金がかかります。仮に家賃5万円のアパートだと、敷金2ヶ月分（10万円）＋礼金1ヶ月分（5万円）＋初月の家賃＋翌月分前払い（10万円）で、合計25万円くらいかかります。

そんな大金、急にポンと出せますか？ないはずです。

私も昔、似たような経験で苦労したことがあります。貯金が底をつき、最初の給料日まで食費を切り詰めた記憶が今も鮮明です。派遣の利点は、こうした初期費用を会社がカバーしてくれる点にあります。

だからこそ、派遣で遠方に引っ越しする人は、ほぼ100%派遣会社が用意したアパート寮に入ります。この寮は、めちゃくちゃ便利です。

敷金・礼金ゼロはもちろん、最近の派遣会社は家賃も無料にしているところが増えています。寮費がかかる会社もあるので、仕事を探すときは「寮費無料か？」を絶対にチェックしましょう。

面接のときに「寮の条件を教えてください」と聞くだけで大丈夫です。無料寮の場合、光熱費だけ自己負担になるパターンも多いですが、それでも月数千円で済むので格安です。

さらにラッキーなのは、引っ越し費用を会社が負担してくれるケースです。トラックの手配から荷物の運び出しまで、全部お任せで数万円かかるはずの費用がタダになります。

私の知り合いも、愛知の自動車工場に派遣されて、引っ越し代5万円分を会社持ちで助かりました。トラックは2トン車が標準で、荷物の梱包材も無料提供されます。

ただ、会社によって違うので、契約前に「引っ越し費用は負担されますか？」としっかり確認しましょう。メールや電話でメモを取っておくと、後で揉めません。

万一、会社が負担しない場合でも、補助金が出る派遣会社もありますので、交渉の余地を残しておきましょう。

寮の種類も大事です。主に「アパート寮」と「共同寮」の2タイプがあります。アパート寮は個室でプライバシーが守られ、共同寮は数人でシェアするタイプです。

稼ぎのいい工場派遣はアパート寮が多いですが、確認は必須です。アパート寮は1Kや1DKの間取りが主流で、キッチンやユニットバスが付いています。

一方、共同寮は大部屋でベッドが並ぶスタイルが多く、コストを抑えたい人向けです。女性の場合、セキュリティの観点からアパート寮を優先的に割り当てられる会社も増えています。選考時に「個室希望」と伝えておくと安心です。

住民票の移転は？

あと、住民票の移転はどうする？これ、意外と悩むポイントです。

短期（1年未満）なら移さなくてもいいですが、1年以上住むなら移した方が行政サービスが受けやすいです。

例えば、免許更新や健康保険の手続きがスムーズになります。転出入届は引っ越し後14日以内に役所で出せばOKです。

詳しくは別記事で書きましたが、簡単に言うと「長期滞在なら移す、短期なら本籍地に置いとく」のが鉄板です。派遣会社の寮に入ったら住民票は移さないの？転出入届はどうする？

住民票を移さない場合、郵便物の転送サービスを利用しましょう。役所の転送手続きは無料で、1年間有効です。これで本籍地の住所宛の書類も寮に届きます。

この辺りを事前にクリアにしておけば、引っ越し当日のストレスが激減します。派遣会社の担当者に、寮の写真や間取り図を送ってもらうのもおすすめです。想像以上に快適な部屋だと、モチベーションが上がります。

寮の種類と選び方のポイント

ここで少し深掘りします。派遣寮の種類は、単なる「アパートか共同か」だけではありません。地域や工場によってバリエーションがあります。

例えば、関東の電子部品工場では、モダンなデザイナーズアパート寮が用意されることがあります。家賃無料に加え、ジムやラウンジが共有スペースにある高級タイプです。一方、九州の食品工場では、伝統的な木造共同寮が主流で、食事付きのプランが人気です。

選び方のポイントは3つです。まず、立地。工場のシフトが変則的なので、徒歩または自転車圏内が理想です。

次に、設備。エアコン、Wi-Fi、駐車場（車持ちの場合）の有無を確認します。

最後に、ルール。門限や来客制限が厳しい寮は避けましょう。面接時に「寮の口コミや写真を見せてもらえますか？」と聞くと、リアルな情報が得られます。

私の経験上、共同寮は初期の人間関係構築が鍵です。入寮初日に自己紹介会がある会社を選ぶと、孤立しにくいです。

寮に持ち込める荷物

寮に引っ越すとなると、「何を持っていこう？」となります。洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫みたいな大物家電は心配になりますが、ほとんどの場合、派遣会社の寮はこれらを完備しています。部屋に入ったら、もう生活できる状態です。

私の場合、初めての派遣寮でビックリしました。冷蔵庫は新品で、電子レンジもピカピカでした。洗濯機は共用か個室かで違いますが、どちらにせよ自分で買う必要はありません。共用洗濯機の場合、1回100円程度のコイン式が多いので、事前に小銭を準備します。

家具はどうでしょう？

ベッド、机、椅子、エアコン、カーテン…これらも標準装備の寮がほとんどです。空っぽの部屋でスタートなんてことは稀です。ただ、布団は自分で持参するよう言われることが多いです。

派遣会社から「布団は各自で」と連絡が来たら、安いところで5,000円くらいのものを買って持っていきましょう。夏用掛け布団と冬用毛布をローテで使うのがコツです。通販サイトで「コンパクト布団」を検索すると、持ち運びやすいものが揃います。枕カバーは洗い替えを2セット持参すると便利です。

じゃあ、持っていける荷物って具体的に何か？リストアップしてみます。使っていない服や本は、フリマアプリで処分しましょう。

必須持ち込み荷物

衣類: 仕事着（作業服は会社支給の場合多し）、普段着、下着、靴下。季節もの（コートや長靴）は収納スペース次第です。寮のクローゼットは意外と広いですが、詰め込みすぎ注意。仕事着は5セット以上、普段着は1週間分を目安に。洗濯頻度が高いので、速乾素材を選びます。
日用品: 歯ブラシ、シャンプー、タオル、石鹸。100均で揃えられるものからスタートします。寮近くにドラッグストアがあるはずなので、後で買い足しOKです。加えて、ティッシュやトイレットペーパー、洗剤を1ヶ月分持参すると初日の安心感が増します。
寝具: 布団、枕、シーツ。衛生面で新品推奨です。シーツはダブルサイズではなく、シングルに統一。枕は低反発タイプがおすすめで、首の負担を軽減します。
小物家電: ドライヤー、アイロン、電気ケトル。寮にない場合が多いので、コンパクトなものを選びます。延長コードとマルチタップも忘れずに。USB充電器は複数持参で、スマホのバッテリー切れを防ぎます。
書類類: 身分証明書、銀行通帳、保険証。引っ越し後にすぐ必要です。パスポートやマイナンバーカードも念のため。コピーを作成して防水袋に入れておくと安心です。

持っていきたいけど検討荷物

パソコンやタブレット: 仕事の合間に趣味で使うならOKです。Wi-Fi完備の寮が増えていますが、確認を。リモート面接用のウェブカメラ付きモデルが便利です。
本や趣味グッズ: マンガやゲーム機。ストレス発散にいいですが、スペースを取るので最小限にします。電子書籍リーダーなら場所を取らずおすすめ。ボードゲームは共同寮でシェアすると楽しいです。
自転車: 通勤用に便利です。でも寮に駐輪場がないと困るので、事前チェックを。折りたたみ式なら部屋収納可能。ヘルメットと鍵は必須です。
調理器具: 鍋やフライパン。寮のキッチンが簡易的な場合に便利ですが、共同寮では制限あり。初心者はインスタント食品中心でスタートします。

荷物の量は、段ボール3〜5箱くらいが目安です。引っ越し業者が来てくれるなら、梱包も手伝ってくれます。エコバッグや圧縮袋を使ってコンパクトにまとめると、運びやすいです。重量制限があるので、体重計で事前測定を。

荷物が持ち込めない場合

工場の寮は、アパートタイプが主流ですが、共同寮に入る人もいます。共同寮は、食堂・風呂・トイレ・洗濯機がシェアです。安い（無料）ですが、プライバシーは少ないです。ここでは個人家電の持ち込みがNGです。理由は、共同スペースのルールと火災予防です。電子レンジや炊飯器は食堂に置いてあるので、それを使いましょう。

食堂のメニューは3食付きで、栄養バランスが取れていますが、味気ないという声も。外食デリバリーを活用すると変化がつきます。

私の知り合いが共同寮で苦労した話：洗濯機が1台しかなくて、夜中まで行列でした。結局、近くのコインランドリー通いになりました。なので、共同寮の人は「最小限の荷物でシンプルライフ」を心がけます。

逆に、アパート寮なら自分の部屋に小型冷蔵庫を追加で置けるかも知れません。担当者に「持ち込みOKですか？」と聞くのが一番です。禁止品リスト（例: ホットプレート、加湿器）を事前に貰いましょう。

荷物運びのTips：引っ越し前日にリストを作って、不要なものはリサイクルショップに持ち込みます。派遣会社が指定する荷物上限（例: 総重量50kg以内）を超えないよう注意します。超過したら追加料金がかかるかも知れません。保険の観点から、貴重品は手荷物で運びます。