発達障害者が働く上で大事なのが「発達障害を理解されること」。
発達障害の理解が職場で得られないと働くのがしんどくなり、2次障害を発症したり退職せざるを得ない場合があります。
そうならないためにも発達障害を理解されない職場を避けて、比較的理解される職場を選びましょう。
今回紹介する項目は、こちら。
- 発達障害の特徴
- 発達障害が理解されない場面
- 発達障害はどんな職場で理解されにくい?
- 実習を上手く利用して職場を探す
- 従業員が多い職場はオススメ
この5つで紹介していきます。発達障害の方で職場選びに困っている人は是非、読んでみてください。
発達障害が職場で理解されないのはこんな特徴があるから
アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)などの発達障害の特徴には以下のものがあります。
こういった特長があることでトラブルを起こすため、職場で浮いたり理解されない原因となっています。
- 短期的な記憶が苦手で、物覚えが悪い
- 優先順位をつけるのが苦手
- こだわりが強く、細かいことまで気にしてしまう
- 何度も同じミスをする
- 得意・不得意の差が激しい
- 文字や数字、計算が苦手
- 物事の同時進行が苦手
- 衝動的に動く癖がある
- 落ち着きがなく、注意力が散漫になる
- 同じことの繰り返しを好む
- 失礼な発言をしてしまう
- 相手の気持ちを汲み取るのが苦手
- 感覚過敏
- 忘れ物をしてしまう
- スケジュール管理が苦手
- 1つのことに集中してしまう
- コミュニケーションがうまく取れない
- ルールをきっちりと守る
- 空気を読むのが苦手
発達障害の特徴が原因で、仕事が上手くいかずに会社での人間関係が悪化してしまったり、自分を追い詰めてうつ病などの2次障害を発症したりする場合があります。
発達障害はそれくらい厄介な障害であり、職場の環境次第で良くも悪くも変化する障害です。
発達障害が理解されない例
私自身も発達障害を診断されており、仕事でたくさん失敗やトラブルをしてきました。
その中でも、発達障害の特性が理解されずに苦しかったケースを何個かここで紹介していきます。それと同時に、特性に対しての対策もお伝えします。
短期的な記憶が苦手なため、職場で出来ないやつだと思われる
発達障害者は物事を覚えるのが苦手です。
面接では普通通りに受け答えが出来るため面接官から普通の人だなと思われます。
しかし、いざ働いてみると物覚えが悪いため仕事を教えてもらってもなかなか出来ず失敗を繰り返します。
それが原因で入社して1ヶ月足らずでダメな社員扱いされてしまうことが多いです。
では、短期的な記憶が苦手なことをカバーするにはどうしたらいいか?
それは、マニュアルがあり変化が少なく同じことを繰り返す仕事を選ぶこと。
マニュアルがあれば、作業内容を忘れてしまってもマニュアルを見れば解決できるし、急な変化が苦手ならば比較的変化が少ない仕事を選べば、スムーズに仕事出来ますよ。
優先順位を付けるのが苦手で、順序を間違える
優先順位をつけるのは仕事で大事なことです。
2つ以上の仕事が同時に舞い込んできた時は優先順位をつけて仕事を行う必要があります。
例えば、納期が1週間後のAの仕事と納期が明日までの仕事があるとします。
この場合だとBを優先的に行いますよね。
ですが、発達障害者はAを先にやってしまうほど優先順位をつけるのが苦手なんです。
これも仕事が出来ないと思われてしまう原因の1つ。
2つ以上の仕事が舞い込んできた場合、頼んできた上司に「優先度が高いのはどれですか?」と聞くようにしましょう。
衝動的に動いて、ミスをしてしまう
衝動的に動いてしまいミスをするのも発達障害者にはよくあるトラブルです。
「自分は出来る」と思っている仕事をいざやってみたら、出来なくて怒られることがしょっちゅうあります。
落ち着いて作業をすることを心掛け、分からないことはすぐに聞いてミスを極力減らしていきましょう。
物事の同時進行が苦手で、効率良く作業が出来ない
同時に2つの作業を進めることが苦手な発達障害者は、効率の良さに欠けるため職場で理解されません。
同時進行の作業が出てくると、どっちつかずになってしまい作業が中途半端になってしまいます。
それが原因で「まだ終わっていないのか!」と怒られることがしばしば。
同時進行が出来ないとなかなか仕事も上手くいきませんよね。
同時進行を上手に出来るようになるには、仕事が出来る人に聞いたり、たくさん失敗をして覚えていくしか方法はありません。
ただ、仕事をこなしていくうちに効率の良いやり方を自分なりに編み出せたりもするので、とにかくトライ&エラーを繰り返していきましょう。
職場で話す人がいないため、孤立する
発達障害者が困るのが職場でのコミュニケーションの取り方。
発達障害者はコミュニケーションを取るのが苦手で、話が続かなかったり、会話の内容がずれたり、コミュニケーションでの過去の失敗から被害妄想が激しくなってしまい人と話すのが怖いなどコミュニケーションに関する悩みは尽きません。
コミュニケーションに関しては、無理や我慢をして仲良くしたりせず「会社は会社、プライベートはプライベート」と割り切るのがいいでしょう。
ただし、自分に対して優しくしてくれる人は信用したり、いろいろ話をして仲を深めたりしてもいいですよ。
発達障害はどんな職場で理解されないのか?
発達障害者は適職も大事ですが、発達障害を理解してもらえる職場であることも大事です。
では、逆に発達障害が理解されない職場とはどんなものか気になりますよね?ここでは、発達障害が理解されにくい職場の特徴を紹介していきます。
体育会系で精神論至上主義な職場
体育会系な風土で精神論が飛び交う職場はオススメしません。
こういった職場は精神論で仕事をこなしていき、出来ないことも根性で乗り越えていくというような雰囲気です。
発達障害者がこのような職場に入ると
「発達障害は甘えだ!根性で乗り越えろ!」
「こんなことも出来ないのか!」
といった感じで怒鳴られ、最終的にはパワハラの餌食になりかねないなんてことも。
女性従業員が多く、権力を握っている職場
女性従業員が多く在籍し、女性が権力を握っているような職場も発達障害者が理解されないケースがあります。
女性が多い職場で働くと、発達障害の特性を理解されず裏で悪口を言われたり抑圧的な態度で詰められたりなど陰湿ないじめを受けてしまいます。
優しい方も中にはいますが、気が強くてお局様みたいな人は発達障害者に対して強く当たってきますので、要注意です。
実習を上手く利用して職場を探す
業務内容も会社の人間関係も、その会社に入ってみないとわかりません。
「じゃあ、どうやって良い会社を判断するの?」と疑問に思いますよね。そこで利用したいのが実習制度。
一般就労では面接を行い、面接で「この人良さそうだな」と判断したうえで採用しますよね。ですが、障害者雇用では実習制度を利用し、一定の期間で実習を行います。
実習を通して、「得意なこと・不得意なこと」「特性で起きる仕事での困りごと」「障害を理解できる環境」など様々なことを知ることができます。
特に就労移行支援事業所では実習制度を積極的に取り入れており、就労移行支援事業所を上手く利用するのも発達障害者が適職を探す手段の1つです。
私も就労移行支援事業所を通して、2回ほど実習に行き、人間関係も比較的良好で自分に向いている仕事が出来る職場に出会えました。
実習は適職を探す最高の手段であることは間違いないです。
人が多い職場はオススメ
私個人の意見ですが、従業員がたくさんいる職場は発達障害の方でもオススメです。
その理由は、
- 従業員が多いと苦手な仕事は他の人に任せられる
- 困ったときに助けてくれる人が多い
- 人間関係も割り切ることができる
- 得意なことに力を注げる
これらが従業員が多い職場を薦める理由です。
現在、私が働いている職場は60人近く従業員が働いているため、自分がまかされた仕事も思いっきり出来るし、人間関係も合わない人がいたら極力関わらずに済むし、困ったことがあればすぐに誰かが助けてくれるので安心して働くことが出来ています。
是非、職場選びの参考にしてみてください。
職場選びは慎重に
発達障害が理解されない職場と怒られるケースを紹介していきました。
まだまだ、発達障害に関して理解が少ない職場が多い世の中ですが、読んでいるあなたのことを理解してくれる職場はきっとありますので安心して仕事を探していってください。
あなたの人生が幸せになることを心から祈っています。
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